「アメリカン・ドリーム」の現在を追い求める、
ヴァネッサ・ウィンシップ『SHE DANCES ON JACKSON』

ドキュメンタリー写真家として知られるイギリス人フォトグラファー、ヴァネッサ・ウィンシップの作品集『SHE DANCES ON JACKSON』が、今年6月からロンドンで開催されている回顧展に伴い、セカンドエディションとしてMACKから刊行された。

カリフォルニア州からヴァージニア州、ニューメキシコ州からモンタナ州を跨ぐアメリカ横断の旅へと繰り出した先で出会った人々のポートレイトやランドスケープを通じ、伝説の「アメリカン・ドリーム」の現在を追い求めた一年以上にわたる道程を写しだす本書。

アメリカの広大さを追い求めて記録した「風景」と「人物」との間に見える叙情的かつ生き生きとした対話や交わりを写真で魅せ、地域そのものと住民とを繋ぐものとはいかなるものかを読み解いている。

ウィンシップにとって、写真とは能力の一過程であり、人生を理解するための道筋。親密さをも感じさせるそのアプローチは、一目その作品を見るだけで彼女が見つめたその世界を感じさせるだろう。