吉行耕平の作品集『The Park』のスペシャルエディションが刊行された。
1970年代に新宿、代々木、青山の公園で夜に撮影した有名な『The Park』シリーズ。作者は35mmカメラに赤外線フィルムを装填し、赤外線ストロボを使って、野外で絡み合うカップルやそれを覗き見る人々の秘密のコミュニティをとらえた。公園に夜な夜な集い、人目を忍んで愛し合う人々や、藪の影に隠れて彼らを見つめる人、ときには行為に参加する覗き屋の記録である。粒子の粗いスナップショットのような画質のイメージは、闇夜に隠れて行われる異性愛者や同性愛者のカップルたちの性の営みを明るみに出すだけでなく、私たちがほとんど目にすることのない日本の一面を見せる年代記にもなっている。
イギリスを代表する写真家、マーティン・パーが『The Photobook: A History Volume II』で述べているように、『The Park』は「社会の記録としても素晴らしい作品。東京のような世知辛い巨大都市の性的あるいは人間同士の関係にありがちな孤独や悲哀そして絶望といった感情を完璧に表現している」。
当時衝撃を巻き起こした名作作品集を再版するにあたり、デザインを一新し包括的な作品集となった本書は、未発表のイメージ8点に加え、2007年の「HATJE CANTZ / YOSSI MILO」版以前の1980年代に作成されたZINEバージョンのイメージも収録されているほか、荒木経惟との対談も掲載。YOSSI MILOとの共同刊行となる。
特装版の本作は、作品集とともに1980年に刊行された「ドキュメント公園」の複写版が箱に収められている。サイン入り短冊付き。
タイトル | 『The Park』スペシャルエディション |
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出版社 | RADIUS BOOKS |
出版年 | 2019年 |
価格 | 18,000円+tax |
仕様 | ハードカバー/279mm×318mm/160ページ/サイン入り短冊付き |
URL | https://www.twelve-books.com/products/the-park-by-kohei-yoshiyuki-special-edition |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。