イギリスを拠点に活動するアーティスト、ニール・ドラブルの写真集『Book of Roy』は、1998年から2005年にかけてアメリカ人のティーンエイジャーであるロイが少年から青年へと成長していく過程をとらえている。
本書に収められた大量の写真は、家族アルバムに出てくるような重要な出来事や、記録写真につきものである決定的瞬間などをあえて描写していない代わりに、通常は写真にされることのない時間の取るに足らない変化にフォーカスし、見る者を思春期の真っただ中にいるような気持ちにさせる。陰鬱な1970年代のマンチェスターでアメリカのテレビ番組を見て育った作者は、ピザを食べ、ドクター・ペッパーを飲み、友達と夜遅くまで電話でおしゃべりをして、雨の中バス停で待つのではなく自分の車を運転して好きなところへ行く、そんなティーンエイジャーたちがテレビの中で送っているキラキラ輝く思春期の日々について妄想していたという。
この作品でドラブルは、ロイを撮るというプロセスと、年上のフォトグラファーと年下の被写体との間で生まれたコラボレーションによって10代の自分を再演し、大西洋を越えて思いを馳せていたアメリカ人の若者の代役としてのロイのあらゆる姿に自分自身を重ね合わせることができたと解釈することもできる。
タイトル | 『Book of Roy』 |
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出版社 | |
出版年 | 2019年 |
価格 | 7,000円+tax |
仕様 | ハードカバー/220mm×280mm/132ページ |
URL | https://www.twelve-books.com/products/book-of-roy-by-neil-drabble |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。