13 April 2026

写真は“最初の記憶”に触れることができるのかHee-Hee個展

13 April 2026

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東京・御徒町の229 Galleryにて、Hee-Heeによる個展「はじまりにふれたい」が開催される。本展は、写真を中心としたインスタレーションを通じて、幼少期の最初期の記憶へと接近しようとする試み。

本作の出発点は、作家自身の2歳頃の記憶にある。母に背負われながら滝を登った体験——知床のカムイワッカ湯の滝におけるこの原風景は、視覚的なイメージとしてだけでなく、身体感覚と不可分なかたちで刻まれている。Hee-Heeはその記憶を再訪し、当時の視点と現在の知覚のあいだに生じるズレを引き受けながら、記憶の輪郭を探る。

興味深いのは、記憶が「一致する瞬間」が、同時に「喪失」を伴う点である。実際の風景と記憶が重なったとき、確かめられたはずの原風景はむしろ遠のいていく。ここで問題となるのは、記憶が再現可能な対象ではなく、常に変容し続ける経験であるという事実だ。本展は、その不確かさを排除するのではなく、むしろ積極的に受け入れることで、記憶の在りかを問い直す。

会場空間は、滝へと続く道を想起させる幕や水の気配、声といった要素によって構成される。それらは過去の出来事を忠実に再現するものではなく、記憶が宿っていた場所へと接近するための環境として機能する。写真はその中に配置され、明確なイメージとしてではなく、揺らぎの中にある存在として提示される。

ここでの写真は、記録媒体としての役割から離れている。むしろ、失われつつあるものに触れようとする身体の感覚を媒介する装置である。像が鮮明になるほどに遠ざかる記憶、しかし失われかけることでかえってその存在が証されるという逆説。この二重性の中で、写真は「見る」ものから「触れようとする」ものへと変容する。

Hee-Heeの実践は、写真を視覚的イメージとしてではなく、身体と記憶のあいだに生起する現象として捉え直す。そこでは写真は過去を固定するのではなく、現在において再び経験されるものとなる。

タイトル

はじまりにふれたい

場所

229 Gallery(東京都台東区台東4-24-2)

会期

4月17日(金)~29日(水)

時間

12:00~19:00(土日祝20:00まで、最終日18:00まで)

休み

4月21日(火)

料金

1ドリンクオーダー制

URL

https://www.instagram.com/229.4242/ 

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