写真家・奈良原一高が、1月19日(日)逝去した。享年88歳。
奈良原は1931年、福岡県生まれ。中央大学法学部卒業後、早稲田大学大学院で美術史を専攻。1956年の個展「人間の土地」で注目を集め、1958年に「王国」を発表。1959年、東松照明、細江英公らとVIVOを結成し、『ヨーロッパ・静止した時間』で日本写真批評家協会賞作家賞受賞。以後も『消滅した時間』『ヴェネツィアの夜』などを発表した。
雑誌『IMA』では2014年発売のVol.10 特集「写真と絵画の境界線」で当時、東京国立近代美術館で開催されていた「奈良原一高 王国」展にあわせ作品「王国」を掲載。
昨年の個展開催としては、神田・gallery bauhausで個展「ヴェネツィアの夜」、六本木、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで「星の記憶」などが行われ、11月10日(日)まで長野県御代田町で行われた「浅間国際フォトフェスティバル2019」では、1958年に発表された「王国」の「沈黙の園」と、旅の道中で撮られた作品「ヨーロッパ 静止した時間」のふたつのシリーズを展示。また、絶版状態が続く奈良原の名作『王国ーDomains』が、代官山蔦屋書店×復刊ドットコム共同企画シリーズの新刊として新装刊行され話題となった。なお現在、世田谷美術館では「奈良原一高のスペイン――約束の旅」展が1月26日(日)まで開催中。シリーズ「スペイン 偉大なる午後」からモノクロ写真約120点が展示されている。
そのほか、過去にIMA ONLINEで紹介した奈良原一高の記事はこちら。
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