写真家としてのキャリアを、常に旅をしながら築き上げてきたアレック・ソス。彼は、幼い大国、故郷アメリカに何を見ようとしてきたのだろうか。観る者誰もが彼の写真が普遍的な共感を抱くのは、テーマへの丁寧なアプローチとそこに暮らす人々への慈愛に満ちた控えめな視線のせいだろう。連綿と続くアメリカ写真史の正統的継承者である彼が、インスパイアされた詩、影響を受けたアーティストや写真集。さまざまな証言者たちの考察やソス自身の肉声を通して、彼がいま、到達している地点から見える景色を私たちも共有してみたい。
PRICE:2,500円+tax
Contents
最新作「I Know How Furiously Your Heart Is Beating」
アレック・ソス/インタヴュー
開かれた地平線
From Here to There: Alec Soth’s America
「Sleeping by the Mississippi」「Niagara」「Broken Manual」「Songbook」
けもの道:アメリカにおけるロードトリップの物語を再考する
文=レベッカ・ベンガル
アレック・ソス路上日記2019
夢と眠りと 文= 青山 南
写真に重なる幾層もの物語 文= ローラ・フラマリオン
Alec’s Works 01 Photobook
名作写真集へのアクセシビリティ
対談 マイケル・マック × アレック・ソス
Alec’s Works 02 – 03 Education / Magazines
深瀬昌久をめぐる往復書簡
ト モ・コスガ × アレック・ソス
アレック・ソスのインスピレーション源
ジョン・ケージ/アリス・ニール/ リチャード・ロング/ ロバート・アダムス/ ヴィム・ヴェンダース/ アウグスト・ザンダー/ ピーター・ヒュージャー/ ラリー・サルタン/ ポール・グラハム/シャンタル・アケルマン
アメリカ現代写真を牽引するバイブル的写真集20選
L’APPARTEMENT DE MADEMOISELLE CHANEL 市田小百合
STEP OUT! vol.26 岡田舞子
GINZA MAISON HERMÈS by DAIDO 森山大道
東アジアの写真とグローバルファッションの融合
第二言語としての英語 文= ショナ・マーシャル
Quatre contes de Grimm
Van Cleef & Arpels の煌めく物語の世界へ
連載
TOKYO and ME vol.12 サナ・レート
Catch Up 世界の写真ニュース
Collector’s Eye vol.3 マチュー・ニコル
Photobook Chronicle vol. 3 『Holy Onion』 /『Ruth on the Phone』
How They Are Made 新しい写真が生まれる現場 vol.18 石橋英之
Selected Articles
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最新作「I Know How Furiously Your Heart Is Beating」
約1年間にわたる旅や撮影をしない時期を経て発表されたソスの新作は、これまでになくシンプルなアプローチでポートレイト写真を追求している。タイトルに一節を引用したウォレス・スティーヴンスの詩「THE GREY ROOM」の原文及び和訳も掲載。
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From Here to There: Alec Soth’s America
アレック・ソスによるあまたの作品の中から、アメリカをテーマにした4つの重要な作品をフィーチャーする。ソスが本誌のために作成した撮影地やメモなどを記した4つの地図は、それぞれに全く異なるソスの旅を垣間見せてくれる。
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深瀬昌久をめぐる往復書簡
アレック・ソスが、最も影響を受けた写真家のひとりだという深瀬昌久。伝説の写真家の遺産を後世に伝えるためアーカイブ活動を行うトモ・コスガとの往復書簡を通して、深瀬とソスに通底する共通点をひもといていく。
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東アジアの写真とグローバルファッションの融合
グローバル化が進む現代において、ファッションというジャンルでは多様性が高まっている。さまざまな人種、ジェンダー、文化的背景を持つ写真家が、独自のルーツやビジョンを反映した既存の価値観をゆさぶる革新的なイメージで、新たな美意識を生み出している。
Contributors
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。