誰もが応募できるオンラインの写真コンテスト「IMA next」第29弾のテーマ「SMARTPHONE」のグランプリ受賞者が発表された。
IMAプロジェクトが主宰する「IMA next」は、2019年に発足した誰もが応募できるグローバルなオンライン写真コンテスト。毎月国内外の多彩なゲストを審査員に迎え、月ごとにひとつのテーマを掲げ、応募の中から優れた作品を選出し、プラットフォームとして新たな才能の発掘を目的としている。
第29弾「SMARTPHONE」のグランプリは、片上久也の作品「dementia diaries」。審査員を務めた赤々舎代表取締役/ディレクターの姫野希美は、選評として下記のように述べている。
“父親のポートレートのなかに、それを撮る自身の姿をスマートフォンで写し込んだシリーズ。スマートフォンが父親の身体と共にあり、眼差しと重なり、互いに撮り合っているかのような構図の中で、かえって認知症の父親の状態を映し出してもいるようだ。スマートフォンの存在を生かし、写真の構造を重層させ、この時間にしかないポートレートを制作している。”
なお、ショートリストには荒井晶子、真壁輝、飯塚純、稲田 フランコ タデオ、Harry Hartanto、松田瑞季の6名の作品が選ばれた。公式サイトにはショートリストの選評と受賞作品がそれぞれ掲載されている。
タイトル | |
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審査員 | 姫野希美(赤々舎代表取締役/ディレクター) |
グランプリ | 片上久也「dementia diaries」 |
ショートリスト | 荒井晶子「Nowhere to die」 |
URL |
▼グランプリ
片上久也「dementia diaries」
認知症の父の記録。施設にいる父は日に日に記憶が失われて行く。会話のキャッチボールは難しく面会に行くたびに写真を遺している。カメラを向けると少しの間だけ目線を合わせてくれる。この歳になると親子のツーショットを撮るのは小っ恥ずかしく、まして自撮りやセルフタイマーでは目線を合わせられないのでスマートフォンのカメラに自分を写してみる。写真で記憶のない父と一緒に記録する。
片上久也|Hisaya Katagami
広島出身、広島市在住。商業写真家。
2016:第2回The Editers’ Photo Award Zooms Japan2017 パブリック賞
2021:Portrait of Japan shortlist