日々、ニュースで取り上げられているように、現在、欧米を中心に人種差別に反対する抗議活動が激化している。きっかけとなったのは、今年5月25日、アメリカのミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が警察に殺された事件である。アメリカでは歴史的に人種差別撤廃運動が繰り返されているものの、いまなお差別は根深く残っており、特にアフリカ系アメリカ人は系統的に抑圧を受けている。この反人種差別(Anti-Racism)運動は決して局地的な現象ではなく国際的な問題だと認識し、日本からも公平な社会の実現を願っている思いを示すために、#BlackLivesMatter運動を行う団体を支援するファンドレイジングプロジェクト「Japanese Photographers 4 Black Lives Matters(以下JP4BLM)」がスタートした。
この「JP4BLM」は、アイヴァン・ヴァルタニアンと大野秀子グレイスの2名による非営利のプロジェクト。深瀬昌久、鈴木理策、ホンマタカシ、米田知子、野口里佳、川内倫子、志賀理江子、Nerhol、横田大輔ら、さまざまな世代の約30名の日本人写真家が参加し、オンライン上で彼らのプリントを販売することで、反人種差別運動に貢献するためのプラットフォームとなっている。プリントの販売価格は全て1点US$150(約16,000円)。売上はいくつかの反人種差別団体に寄付されるが、購入者自身が寄付先を選ぶことができるシステムだ。開催期間は6月19日~7月20日の4週間限定となる。
制度や世の中の意識を変え、人々に積極的な行動をとってもらうには、一人一人が一斉にアクションを起こす必要があると発足されたプロジェクト。世界的に評価の高い日本人写真家たちが、反人種差別運動を支援するという主旨に賛同し、「JP4BLM」のために特別な価格でプリントを提供してくれている。6月19日は、奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられたアフリカ人が自由になった記念日として「Juneteenth」と呼ばれており、その重要な日にリリースされた。写真家たちが選んだ作品の数々を通して、もう一度この問題に向き合い、一人一人が何をできるかを考え、支援のきっかけになることを願う。
▼参加写真家
深瀬昌久(物故者)、濱田祐史、花代、蓮井元彦、広瀬耕平、ホンマタカシ、片山真理、川内倫子、小松敏宏、小山泰介、水谷吉法、森本美絵、永瀬沙世、内藤カツ、中藤毅彦、Nerhol、西野壮平、野口里佳、志賀理江子、鈴木理策、鷹野隆大、竹之内祐幸、薄井一議、八木夕菜、山縣勉、横田大輔、横山隆平、米田知子(敬称略)*プロジェクト開催中にも参加写真家は増えていく予定
▼プロジェクト内容
各プリント150US$の売上から、100 US$(クレジットカード決済手数料を差し引いた後)が、以下の6つの団体(下記参照)に寄付されます。お会計の際、どの団体に寄付するかを選択できます。各プリントの売上から25ドルは写真家へ、また別の25ドルは制作費に充てられます。
タイトル | 「Japanese Photographers 4 Black Lives Matters」 |
---|---|
期間 | 2020年6月19日(金)〜7月20日(月) |
売上寄付先 | Black Lives Matter Foundation, Inc / The Okra Project / Black Visions Collective / Equal Justice Initiative / Black Voters Matter Fund / Migizi |
問い合わせ | japanphoto4blm@gmail.com(担当:アイヴァン・ヴァルタニアン/オオノヒデコ) |
URL |
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。