本展は「写狂老人A 76齢」シリーズよりカラー作品9点、フランスのギメ東洋美術館にて4月より開催中の大規模な個展で公開されている「トンボー・トウキョー」よりモノクローム作品471点の計480点で構成。「トンボー・トウキョー」からの作品は、写真集には収録されていない未発表作品。
荒木は、KaoRiの毎年の誕生日に、彼女を被写体としたポジフィルムによるカラー写真を撮影している。ダンサー・KaoRiとは、2002年頃からコラボレーションを行い、生涯のモデルとして10年間以上の撮影を続けてきた。本展で展示する9点は、KaoRiの今年の誕生日会で撮影した最新作品。今年76歳を迎える荒木は、76にかけて全ての作品を6×7のポジフィルムで撮影。その世界には強烈なエロスとタナトスが色濃く反映されている。
「トンボー・トウキョー」は、ギメ東洋美術館での個展のために撮り下ろしたモノクローム作品。車の窓から青山墓地を撮影していた時に、墓石の向こうに巨大な墓標、高層ビルが重なって見え、まるで墓石(tombeau)が立ち並んでいるようだった、と荒木は語る。「東京しか撮る気が起きない」とこの都市をずっと見つめ続けてきた荒木は、過去、そして現在の東京の街のドキュメンタリーに私情の位相を写し込み、重ねあわせる。
両シリーズからは、荒木が写す対象に表裏一体の死生観がより一層強まっていることを窺い知ることができ、荒木の現在の心境をとらえた最新作品となっている。また本展に合わせ、写真集『写狂老人A 76齢』が刊行される。
会期 | 2016年5月25日(水)〜6月29日(水) |
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会場 | |
時間 | 11:00~19:00 |
休廊日 | 日月曜・祝日 |
URL |
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