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書店員がピックアップする夏を感じるおすすめ写真集【Shelf編】

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東京都

19 July 2018

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書店員がピックアップする夏を感じるおすすめ写真集【Shelf編】 | Heliotropism

テリ・ワイフェンバック/ ケイト・マクドネル『Heliotropism』

アートに力を入れる大型書店や個性的なアートブックやZINEを扱うインディペンデントブックショップなど、写真集を扱う4店舗の書店員が毎月おすすめの写真集を3冊ずつピックアップするこのコーナー。7月は夏を感じる、また夏に読みたくなるような、おすすめ写真集を3冊ずつピックアップ。

セレクト・文=森屋恵美(Shelfオーナー)

1997年に出版された『In Your Dreams』以来、日本でも多くのファンをもつアメリカの写真家テリ・ワイフェンバック。そしてワイフェンバックの友人であり、彼女と同じくワシントンD.C.に住むケイト・マクドネル。本書このニ人の女性写真家の展覧会(二人展)のカタログとして出版されました。

タイトルの「Heliotropism」は植物が太陽の光に向かう性質、向日性を意味します。伊豆のクレマチスガーデンの中で、明るい季節に向かって自然の恵みを受ける植物のしっとりとした姿をとらえたワイフェンバックの作品と、宇宙とつながる神秘的な空や自然と静かに同調する動植物をとらえたマクドネルの作品は、ともに自然世界への崇拝に満ち、見る者をも安らかな気持ちに導きます。展覧会は8月5日(日)まで目黒のブリッツギャラリーにて開催中です。

タイトル

テリ・ワイフェンバック/ケイト・マクドネル『Heliotropism』

出版社

Blitz gallery

価格

1,667円+tax

発行年

2018年

仕様

260mm×170mm/46ページ/300部限定

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=132820278


昭和の時代が終わって10年を経た頃、写真家尾仲浩二が“ずっと撮り続けていた白黒写真を捨て、ネガカラーで”撮り始めた作品。海辺の土産物屋、アイスケース、夜店のパチンコ台、水中花、窓の横の戸袋、ダリヤそしてケイトウの花。日本のあちこちに散りばめられた懐かしい夏の風景は、実際に撮影された時期よりももっと遠い時代を思わせ、さまざまな感慨を呼び起こしてくれます。それは20年前の写真であるからではなく、きっとこの写真家はいまこの夏の撮影であったとしても遠い記憶の中の風景を拾い上げて来てくれるに違いありません。見たはずがない場所への強い既視感にくらくらしながら、怖いもの見たさでやっぱりページを開いてしまう…私にとってはそんな1冊です。

タイトル

尾仲浩二『夏をあつめて』

出版社

Super Labo

価格

4,800円+tax

発行年

2017年

仕様

ソフトカバー/280mm×220mm/52ページ/1,000部限定

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=124574029


アントワープに住むベルギーの写真家、ヤン・ケンペナースが2010年にサン・フランシスコからロサンゼルスへと向かう旅の道中で撮った作品です。明るい空、植物の爽やかな色彩、乾いた地面、そこに落とされた明確な影。旅ということもあってか、西海岸の気候のなせる技か、手持ちのデジタルカメラで撮影された作品は開放感に溢れています。もちろんそんな中でも植物や岩などの造形へのヤン・ケンペナースの強い関心が表れていて、「造形コレクター」としての気分の昂揚が感じられます。一枚の厚紙の光沢面にカラー作品が、裏面にモノクローム作品が印刷されフォールデングにより美しい本に仕上がっています。500部限定。オリジナル・Cプリント付きのアーティストブックです。

タイトル

ヤン・ケンペナース『I’m not tailgating, I’m drafting』

出版社

Roma Publications

価格

7,600円+tax

発行年

2013年

仕様

170mm×230mm/32ページ+8ページ/500部限定

URL

http://shelf.shop-pro.jp/?pid=105625728

Shelf
外苑前にあるブックショップ。写真集を中心とした洋書を専門に取り扱っており、店内には希少な本から絶版書までさまざまなジャンルの写真集が所狭しと並べられている。

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-7-4
tel / fax: 03-3405-7889
http://www.shelf.ne.jp/