ポインターが画面を踊る。ピクセルがさざ波を立て色彩が変形する。
運動が画像を貫く。運動が画像を貫く。運動が画像を貫く。
二次元に展開されるこの情報空間は、さながら夢の外在化のようだ。
限られたインターフェースを介して置き去りにされる身体感覚と、めくるめくポインターの舞。
それは筋肉への情報伝達を遮断し、眼球のみが高速に動く“レム睡眠”と相似形を描く。
情報空間の発展が、外在化した夢の拡大を意味するなら。
僕は夢の輪郭に触れたいのかもしれない。その感触を確かめたいのかもしれない。
ただ眼球だけがくるくる回る輪廻の中で。
閉鎖された神経回路をこじ開けるべく、もがき続けろ!
夢の意味は、夢から醒めた者にしかわからない。だから
― 小林健太
現代の写真家にとって、カメラはすでにイメージ制作プロセスにおける唯一の存在ではなくなり、画像編集・加工ツールを使用することはごく当たり前のことになりつつあります。
小林健太が素材とするのは、さまざまなデバイスでとらえた自身の姿や日常風景ですが、元の画像はPhotoshopなどの画像編集ツールによってあからさまに加工されています。写真の上に描かれたデジタルのドローイングは、キャンバスとなる写真とのコミュニケーションを通して生まれた混ぜ物であり、むしろその筆跡を加えることを作品の中心としています。
加工と元画像との間の関わり―――それは、写真というものは外界に向けて開かれた「透明な窓」ではなく、現実というものの描写が壊れていることを見せる幻想に過ぎないと、いい換えられるかもしれません。つまり、私たちにとって、現実の描写と呼ばれるものは常に創作であり、小林の創作は薄い表層だけがリアルなのだと主張しているのです。
タイトル | 「Rapid Eye Movement」 |
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会期 | 2019年1月8日(火)~1月22日(火) |
会場 | IMA gallery(東京都) |
時間 | 11:00~19:00 |
休廊日 | 日曜・祝祭日 |
観覧料 | 無料 |
イベント | 1月21日(月)17:00~19:00:クロージングパーティー(展示は1月22日まで) |