グローバル化と資本主義経済の成長はすでに限界を迎えたと言われる中で、巨大国家の思惑の対立は終焉を迎える気配はない。インターネットやSNSは人々のコミュニケーションを大きく変えたが、テロの恐怖やフェイクニュースは日常化し、世界中は出口の見えない不安に覆われている。
人種、家族、ジェンダー、宗教、紛争、移民、アイデンティティ、ダイバーシティ、さらにはテクノロジーの発展がもたらした功罪――既存の価値観が大きく揺らぐ時代に、前世紀から私たちが抱えてきた問題から新たに勃発した問題まで「ミレニアルズ」と呼ばれる世代は真っ向から直面している。
写真はそれらを乗り越えられるのだろうか。まだ不器用で未成熟ながらもビジュアルという武器を片手に毅然と立ち向かう彼らの、いまもっとも新しい表現に向き合ってみよう。
PRICE:1,944円+tax
Contents
特集:ミレニアル世代の“イット”フォトグラファーたち
ハーレー・ウィアー/ジエハオ・ス/ハリット・スリッカオ/メイジー・カズンズ/ドリュー・ニコノヴィック/エルサ・レイダー/アルーナ・カネヴァシーニ/ジャシー・ヤン/マリア・グルズデヴァ/ノエル・オズワルト/石場文子/マイルズ・ロフティン/フィッシュ・チャン/草野庸子/ドリス・セガース/ジャン・ヨウイ/アレクサンドラ・ハンツ/ 宮崎いず美
写真シーンの新世代
「Juchitán」グラシエラ・イトゥルビデ 文=青山南
STEP OUT! vol. 20 中村健太
操作された写真
ヴェロニカ・ゲンシツカ/小池健輔/キム・ジンヒ 文=ミヤギフトシ
写真家の食卓
西野壮平× 中村裕太× 鈴木ヒラク
連載
TOKYO and ME vol.6 スティーブン・ギル
Catch Up 世界の写真ニュース
People シーンを拓くキーパーソンキム・ジョンウン
Report ヨーロッパの若い才能を発信する写真祭「Circulation(s)」
ホンマタカシ「Talking Photography」vol.8 リー・ウェイイー
How They Are Made 新しい写真が生まれる現場vol.12 イナ・ジャン
Selected Articles
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写真シーンの新世代
2018年、グローバリズムの限界に社会が揺らぐ中、デジタルネイティブたちは、ソーシャルネットワークを駆使し、イメージという共通言語を使いながら独自の世界を広げている。国境や文化の壁も、写真家、出版人、キュレーターなどといった肩書の枠組みも越えて自由に活動を繰り広げる写真シーンの次世代を牽引するキーパーソンたちに、それぞれのヴィジョンや彼らから放射線状に延びるネットワーク上にいる、刺激的な仲間について話を訊いた。
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操作された記憶
写真は記録であり、写されたイメージはその確かな証拠である。しかし、ありのままに記録することは、真実を写しているといえるだろうか?ここで紹介する3名の写真家は、いずれも元のイメージに手を加え、操作を施す。操作することで私たちの記憶は書き換えられ、写真に新しい文脈が刻まれる。そこからはもうひとつの真実が浮かび上がってくるのだろうか?
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写真家の食卓vol.3
西野壮平×中村裕太×鈴木ヒラク写真家が料理を振る舞い、ゲストとのトークを繰り広げる連載弾3弾。世界の都市を歩き、独自の地図を作る西野壮平がホストを務め、日本各地から陶片を採集し、その土地の文化や風習を読み解く中村裕太と、「道路」や「交通」をテーマに掲げ、時空間に新たな線を描き出す鈴木ヒラクが招かれた。三者三様の作家たちをつなぐ回路とは?
Contributors
2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。