IMA 2017 Winter Vol.22

特集:土地の記憶

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どの土地にも、遠い太古からの記憶が幾層にも折り重なっている。いまもなおそこにはっきりと形を伴って遺っているもの。人々によって受け継がれているもの。すでに何者かによって奪われ、失われてしまったもの。写真家はそのすべてを写しとろうと試みる。

膨大な思い出を抱えた土地はいつだって寡黙にそこに佇むが、写真は饒舌な代弁者として姿を現し、語りかけてくる。結ばれた像が紡ぎだす物語は、私たちに様々なことを気づかせるだろう。大切にすべきこと。忘れてはならないこと。いますぐ考え直すべきこと。その対話こそが、人間にできるせめてもの歴史への償いなのかもしれない。

PRICE:1,944円+tax

Contents

特集:土地の記憶
「Human Nature」 ルーカス・フォグリア 文=若林恵
「Stay」 シャルロット・デュマ/インタヴュー
「Money Must Be Made」ロレンツォ・ヴィットゥーリ 文=ジョアナ・クレスウェル
「1994」ピーター・ヒューゴ 文=マーク・フューステル
「KAKERA」田附勝/インタヴュー
「Invisible Man」白井晴幸 文=畑中章宏

歩きながら写真は生まれる
「AMA UTA」写真&文 津田直
「ひつじの時刻、北風、晴れ」 写真&文 エレナ・トゥタッチコワ

写真集で巡る7つの土地の記憶

「Will the Circle Be Unbroken」 奈良美智 文=高橋しげみ

STEP OUT!vol.18 大坪晶

「Grain」 石内都
写真家の食卓/石内都×ソニア・パーク×黒河内真衣子

日本の悠久なる記憶の断片
伊丹豪が見た、小田原文化財団 江之浦測候所

スティーブン・ショア/インタヴュー
60年にわたる視覚探求の旅

連載
TOKYO and ME vol.4 ロジャー・バレン
Catch Up 世界の写真ニュース
People シーンを拓くキーパーソン ラファエル・ストパン
ホンマタカシ「Talking Photography」 vol.6 グウェン・リー
How They Are Made 新しい写真が生まれる現場 vol.10 アヌーク・クルイトフ

Selected Articles

  • ima-magazine_vol.22_02

    歩きながら写真は生まれる

    フィールドワークは土地の文化やそこに堆積する時間、生活する人々と向き合いながら、土地の記憶を呼び覚ます。長く歌い継がれてきた奄美大島の唄者を追う津田直と、知床半島を歩き人間にとっての旅とは何かを問うエレナ・トゥタッチコワ。それぞれのフィールドワーク制作を通して、写真家の思考とそのプロセスを読み解く。

  • ima-magazine_vol.22_03

    写真集で巡る7つの土地の記憶

    異なる7つの「土地の記憶」を伝える、ここ5年以内に刊行された14冊の写真集を通して、写真家を絶えず突き動かしてきたテーマを、いま改めて考察する。

  • ima-magazine_vol.22_04

    「Grain」 石内 都

    写真家の食卓 / 石内 都×ソニア・パーク×黒河内真衣子

    写真家が料理を振る舞い、ゲストとのトークを繰り広げる連載第二弾。料理、作品、記憶、価値観……多彩なトピックを横断する、女性たちの尽きることのない会話に耳を傾けてみよう。

  • ima-magazine_vol.22_05

    スティーブン・ショア インタヴュー

    現在、ニューヨーク近代美術館でニューカラーの第一人者、スティーブン・ショアの大回顧展が開催中。展覧会の内容と共に、アメリカにおけるアート写真の発展を牽引してきたショアの軌跡を振り返る。

Contributors

Lucas Foglia / Human Nature

Charlotte Dumas / Stay

Lorenzo Vittori

Pieter Hugo / 1994

Masaru Tatsuki

Haruyuki Shirai / Invisible Man

Nao Tsuda / AMA UTA

Elena Tutatchikova / ひつじの時刻、北風、晴れ

Yoshitomo Nara

Akira Otsubo / Shadow in the House

Ishiuchi Miyako / Grain

Go Itami

Stephen Shore U.S. 93, Wikieup, Arizona, December 14, 1976

2021年3月以前の価格表記は税抜き表示のものがあります。予めご了承ください。

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