杉本博司、ホンマタカシ、奥山由之、2020年に活躍した注目アーティスト!(国内編)

25 December 2020

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杉本博司、ホンマタカシ、奥山由之、2020年に活躍した注目アーティスト!(国内編)

新型コロナウィルス、Black Lives Matterなどさまざまな苦境に翻弄された2020年。この一年を振り返りながら、出版、展示、賞の受賞など各方面で活躍してきた写真家たちを紹介しよう。

杉本博司

Hiroshi Sugimoto, Polar Bear, 1975, gelatin silver print © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

Salle 37 Palais de Tokyo, Paris, 2013 The Stranger , 1967 directed by Luchino Visconti © Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

Franklin Park Theatre, Boston, 2015 Rashomon , 1950 directed by Akira Kurosawa © Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

Hunting Dog, 1980 © Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

Kegon Water Fall, 1976 © Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

1948年、東京御徒町生まれ。1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理、と多岐に渡る。杉本博司のアートは歴史と存在の一過性をテーマとしている。そこには経験主義と形而上学の知見を持って、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図がある。時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマがそこでは探求される。これまで多くの賞を受賞、個展を開催してきた。今年は京都市美術館がリノベーションされ、京都市京セラ美術館としてリニューアルオープンした。その開館記念展示を飾った「杉本博司 瑠璃の浄土」展では、世界初公開の作品も並んだ。

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ホンマタカシ

1962年生まれ。2011年から2012年にかけて、個展「ニュー・ドキュメンタリー」を日本国内三ヵ所の美術館で開催。著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社)など。2016年イギリスの出版社MACKより、カメラオブスキュラシリーズの作品集『THE NARCISSISTIC CITY』を刊行。2017年「ニュードキュメンタリー映画」特集上映として渋谷イメージフォーラム他全国の映画館や美術館にて『After 10 years』を含む4作品を上映した。2020年にその映像作品集に加わったのがドキュメンタリー映画『建築と時間と妹島和世』。ホンマが撮影、監督した本作は3年6ヶ月をかけて建築家、妹島和世が手がけた大阪芸術大学アートサイエンス学科の新校舎の建築構想から完成の軌跡を映し出す。

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奥山由之

1991年東京生まれ。2011年『Girl』で第34回写真新世紀優秀賞受賞。2016年には『BACON ICE CREAM』で第47回講談社出版文化賞写真賞受賞。主な写真集に『As the Call, So the Echo』『The Good Side』『君の住む街』『POCARI SWEAT』『Los Angeles / San Francisco』などがある。主な個展は、「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(16年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(17年)、「As the Call, So the Echo」Gallery916(17年)、「白い光」キヤノンギャラリーS(19年)など。また、映像監督として数多くのTVCM・MVなどを手がけている他、近年では、広告・CDジャケットなどのアートディレクションも行なっている。今秋、新作写真集『The Good Side』をフランスの出版社・Editions Bessardより上梓。

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川島小鳥

1980 年生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、沼田元氣氏に師事。写真集に『BABY BABY』(2007)、『未来ちゃん』(2011)、『明星』(2014)、谷川俊太郎との共著『おやすみ神たち』(2014)、『ファーストアルバム』(2016)、台南ガイドブック『愛の台南』(2017)。第42回講談社出版文化賞写真賞、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞している。今年は川島が8歳から住んでいる東京を主軸に、約20年間にわたって撮り貯められ写真をまとめた『おはようもしもしあいしてる』を出版。自身のささやかな日常とその美しさを捉えた写真には未発表作品も多く含まれている。

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横田大輔

Untitled from the series "Site", readapt 2012

Cloud, 2012

Untitled from the series "Site", readapt 2012

Untitled from the series "Site", 2011

Untitled from the series "Site", 2011

1983年、埼玉県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。2008年キヤノン写真新世紀佳作、2010年第2回写真1_WALL展グランプリ受賞後、作家として本格的に活動を開始。海外でThe Outset Unseen Exhibition Fund(2013年)、JohnKobal Residency Award(2015年)、Foam Paul Huf Award(2016年)などを受賞するほか、美術館での個展・グループ展に多数参加。また、これまでに『Vertigo』『垂乳根』など、多くの写真集を発表している。そんな横田にとって2020年は木村伊兵衛写真賞の受賞、これまでのキャリアを振り返る総特集となった『IMA vol.31』、数々のグループ展への参加など目覚ましい活躍の一年となった。

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片山真理

1987年、埼玉県生まれ、群馬県育ち。2012 年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。先天性の四肢疾患により9歳の時に両足を切断。自身で装飾を施した義足を用いたセルフポートレートを主軸に制作しながら、その他にも「ハイヒールプロジェクト」として、歌手やモデルなど多岐に渡り活動をしている。2005年に群馬青年ビエンナーレ 激励賞を受賞。その後、多数の個展を開催し、あいちトリエンナーレ2013、六本木クロッシング2016などさまざまな国内外のグループ展に参加。今年は木村伊兵衛写真賞の受賞やKYOTOGRAPHIE 2020で個展「home again」を開催するなど精力的な活動にますます目が離せない。

川内倫子

1972 年滋賀県生まれ。『うたたね』『花火』(2002年、リトルモア刊) の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。2011年に『Illuminance』を世界5カ国で同時出版(日本版はフォイル刊)、2013年に写真集『あめつち』をApertureほか世界4カ国で刊行(日本は青幻舎)。2009年にInternational Center of Photography主催の第25回インフィニティアワード芸術部門受賞、2013年に平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学新人賞などを受賞。主な個展は、「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears」(2005年、カルティエ財団美術館/パリ)、「”Rinko Kawauchi” The Photographers’ Gallery」(2006年、ロンドン)、「照度 あめつち 影を見る」(2012年、東京都写真美術館)、「、2016年に熊本市現代美術館で個展「川が私を受け入れてくれた」ほか多数。2020年には自身の出産から約3年間、子育ての中で出会った子どもの姿や身近な風景を撮りためて構成した新作写真集『as it is』を発刊し、東京と大阪で刊行記念展「as it is」を開催。ほか、「Pictures for Elmhurst」やBLM運動支援を目的とした「Japanese Photographers 4 Black Lives Matters」などのファンドレイジングプロジェクトに参加した。

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